メラトニンは本当に不思議な物質である.
生体では夜間に松果体から分泌され、1日の時刻情報の伝達物質としての作用を持つホルモンであるとともに、フリ-ラジカル(活性酸素)の消去物質でもある。一方、高等植物(食用植物)にも存在している。つまり、我々は日々知らず知らずのうちに食事からもメラトニンを摂取している。たまたま松果体という内分泌器官より単離されたためにホルモンと名づけられたに過ぎない。
松果体が「内分泌の墓場」などと呼ばれ、ほとんど見向きもされなかった時代から研究に携わってきた者にとって、今日のような注目のされ方は隔世の感があり驚くばかりである。
現在、メラトニンの主な作用といわれている「概日リズムの同調効果」(一般には睡眠促進効果として捕らえられている)に関しては、リズム障害者にかぎらず、健常者(小児から老人)に対してもメラトニンの投与により入眠までの時間の短縮や睡眠の改善が報告されている。一方、「フリ-ラジカル(活性酸素)のスカベンジ効果」に関しても、ヒドロキシルラジカル(HO・)を始めとするいくつかのフリーラジカルを直接消去、あるいは生体内の抗酸化に関わる酵素(SODなど)を間接的に活性化することにより、フリ-ラジカルから生体を防御しているという報告が数多く出されている。
このような抗加齢効果が期待されるメラトニンだが、残念ながら加齢とともに激減し,昼夜で差がなくなってしまう。さらに、現代人の生活スタイルは、知らず知らずのうちにメラトニンを減らしているのである。
今後研究会では、メラトニンの基礎・臨床に関わる新しい研究を随時紹介していくとともに、メラトニンを減らさない、あるいは増やす生活スタイルを提案しさらにメラトニンの臨床試験についても検討していきたいと考えている。
世話人代表 服部淳彦
2008年
- 8月8日
- 発起人会開催、抗加齢内分泌研究会発足
- 10月1日
- 日本抗加齢医学会分科会に認定される。
2009年
- 5月27日
- 第9回日本抗加齢医学会総会でシンポジウム共催。
プログラム:メラトニンの効果-基礎と応用-
座長:服部淳彦、米井嘉一
演者:筒井和義「メラトニンと脳機能」
大川匡子「睡眠医療とメラトニン」
石塚文平「メラトニンと生殖機能」 - 5月28日
- 世話人会開催
- 8月
- アンケート実施(日本抗加齢医学会会員様対象)
- 9月6日
- 第1回抗加齢内分泌研究会講習会開催
テーマ:「メラトニン特集」
世話人:服部淳彦
会場:東京医科歯科大学講堂
2010年
- 9月5日
- 第2回抗加齢内分泌研究会開催
テーマ:「DHEA特集」
世話人:柳瀬敏彦
会場:福岡大学医学部臨床大講堂(福岡市) - 9月5日
- 世話人会開催
2011年
- 5月28日
- 第11回日本抗加齢医学会でシンポジウム共催
「脳の老化とメラトニン」
座長:服部淳彦、千葉篤彦
演者 服部淳彦 「オーバービュー」
宮下知之 「ショウジョウバエをモデル動物としたメラトニンの効果」
千葉篤彦 「老齢マウスを加齢性記憶障害モデルとしたメラトニンの効果」
松原悦朗 「アルツハイマー病モデルマウスに対するメラトニンの効果」 - 5月28日
- 世話人会開催
- 9月4日
- 第3回抗加齢内分泌研究会学術集会
開催テーマ:「メラトニン研究の最近の進歩と医療への応用」
会長:里村一人
会場:鶴見大学会館(横浜市)
2012年
- 6月22日
- 世話人会
- 6月23日
- 第12回日本抗加齢医学会総会共催セミナー(イブニングセミナー)実施
「宇宙医学とアンチエイジング医学」
共催 公益財団法人骨粗鬆症財団 - 9月2日
- 第4回抗加齢内分泌研究会
テーマ:内分泌からみた生活習慣病
会長: 米井嘉一 (同志社大学大学院生命科学研究科アンチエイジングリサーチセンター)
会場:東京医科歯科大学湯島キャンパス歯科棟歯科特別講堂 - 9月2日
- 世話人会
2013年
- 6月28日
- 世話人会
- 9月2日
- 第5回抗加齢内分泌研究会
テーマ:メラトニンおよびメラトニンアゴニスト―基礎と臨床―
世話人:加藤晴康 (立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科)
会場:立教大学池袋キャンパス11号館A203教室 (東京都・豊島区)
2014年
- 6月7日
- 第14回日本抗加齢医学会総会共催シンポジウム
会場 大阪国際会議場
メラトニン- 新たな展開と今後の展望
座長 服部 淳彦、米井 嘉一
「眼とメラトニン」
綾木 雅彦(慶應義塾大学医学部眼科学教室)
「口腔領域での展開-唾液腺を中心に」
阪井 丘芳(大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能治療学教室)
「メラトニンと癌-特に婦人科癌とその臨床応用、副作用軽減を目指して」
二神 真行(弘前大学医学部産婦人科)
「メラトニンとアゴニスト-今後の展望」
服部 淳彦(東京医科歯科大学教養部生物学) - 6月7日
- 世話人会
- 9月7日
- 第6回抗加齢内分泌研究会学術集会
開催テーマ:「脳とホルモン-神経伝達物質-」
世話人:柳瀬 敏彦 (福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科)
会場:鶴見大学会館(横浜市) - 9月7日
- 世話人会
アンチエイジング医学(抗加齢医学)においてメラトニンやDHEAなどのホルモンは老化機構の解明の観点から、そしてアンチエイジング療法の観点からも重要である。日本ではメラトニンについては、研究者も臨床医家も全国に散見されるもまとまりがないのが実情です。内分泌機構全体を高い視点からみて、各種ホルモンのネットワーク、相互作用、加齢性変化を検討する時代に入ったと考えています。そこで抗加齢内分泌研究会を設立し、メラトニンやDHEAを学問として扱う学術団体として、日本抗加齢医学会分科会という組織として活動をすることといたしました。
【総則】
- 第1条 (名称)
- 本会は名称を抗加齢内分泌研究会とする。
2.各ホルモンの専門性を高めるために細分科会として「メラトニン研究会」「DHEA研究会」などの名称を適宜用いる。 - 第2条 (事務局)
- 本会は事務局をNPO法人日本抗加齢協会内に定める。
- 第3条 (目的)
- 本会はメラトニンやDHEAなどの抗加齢ホルモンに関する基礎的、臨床的研究を支援・推進・実践し、本研究およびこれに基づく医療の開発・発展・普及に寄与することとし、以下を目的とする。
- 1) メラトニン、DHEAなどの抗加齢ホルモンに関する臨床研究および基礎研究の企画・実施・協力・支援を行う。
- 2) メラトニン、DHEAに関する医療情報の収集
- 3) 内分泌機構全体のネットワーク、相互作用、加齢性変化の研究
- 4) 研究者の情報交換
- 5) 研究成果の発表
- 6) 情報の内外への発信
- 7) 効能効果に関する医学的根拠の蓄積
- 8) 療法の健全な普及のための啓発活動
- 9) メラトニン、DHEAに関する臨床試験の企画・実施
- 10) その他
- 第4条 (事業)
- 本会は前条の目的を果たすために次の事業を行う。
- 1) 学術集会、講習会、セミナー、シンポジウム等の開催
- 2) 抗加齢ホルモン研究の最新情報の交換
- 3) 抗加齢ホルモンに関する研究協力
- 4) その他本会の目的達成に必要な事業
- 第5条 (会員)
- 本会の会員種類は、以下とする
- 1)正会員
- 日本抗加齢医学会の会員で、本会の目的に賛同する個人とする。
- 2)賛助会員
- 本会の目的に賛同し、支援いただける企業、団体とする。
3.会員は、別に定める会費を支払う義務を負うものとする。 - 第6条 (役員)
- 本会には次の役員をおく。
- 1) 世話人代表を1名おく。世話人代表は世話人の互選により選任する。
- 2) 世話人 若干名とする。
- 第7条 (会議)
- 本会の会議は世話人をもって構成し、議長は世話人代表とする。
- 第8条 (世話人会)
- 世話人会では下記の項目を審議、報告しなければならない。
- 1) 予算を含む年度事業計画の承認
- 2) 決算を含む年度事業報告の承認
- 第9条 (学術集会)
- 本会は原則として年に1回、学術集会・共催シンポジウムのいずれかを学術集会会長の主催のもとに開催する。
- 第10条 (会計)
- 本会の会計は会費、寄付金およびその他の収入をもって処理する。
- 第11条 (会計年度)
- 本会の会計年度は毎年4月1日に始まり、翌年3月31日で終わる。
- 第12条 (規則の改定)
- 本規則は世話人会および総会の議を経て変更することができる。
- 1) 本規則は平成20年8月8日から施行する。
代表世話人
- 服部淳彦
- 東京医科歯科大学教養部生物学教授
世話人(五十音順)
- 秋下雅弘
- 東京大学大学院医学系研究科加齢医学教授
- 石塚文平
- ローズレディースクリニック院長、理事長
- 伊藤 裕
- 慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授
- 上芝元
- 東邦大学医療センター大橋病院糖尿病・代謝・内分泌内科教授
- 折茂 肇
- 東京都健康長寿医療センター名誉院長
骨粗鬆症財団理事長
医療法人財団健康院理事長 健康院クリニック院長 - 加藤晴康
- 立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科准教授
- 里村一人
- 鶴見大学歯学部口腔外科学教授
- 永田知里
- 岐阜大学大学院医学系研究科疫学・予防医学分野教授
- 細井孝之
- 医療法人財団健康院健康院クリニック副院長
- 堀江重郎
- 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授
- 柳瀬敏彦
- 医療法人社団誠和会 牟田病院病院長
- 米井嘉一
- 同志社大学大学院生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター教授